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エゼキエルの預言
祭司エゼキエルは、紀元前五九七年に、捕囚としてバビロンに連れて行かれ、そこで神の
預言者となりました。 彼は、エルサレムに残っている人々に、必ずさばきが下ると説き
ましたが、周囲のユダヤ人は快く聞き入れませんでした。 しかし、彼の予告どおり、五
八七年にエルサレムが崩壊してから、人々ははじめて彼のことばに熱心に耳を傾けるよう
になるのです。 エゼキエルの預言は、この時を境に、暗いさばきの内容から、将来に対
する慰めと希望に変わります。 最悪の事態はすでに過ぎ、今は再出発の用意の時だから
です。
1‐3ブジの息子エゼキエルは祭司でしたが、バビロンに連れて来られた捕囚のユダヤ人
の一人として、ケバル川のほとりに住んでいました。
六月も終わろうとするある日、突然、天が開いて、私は神様からの幻を見たのです。 そ
の時、私は三十歳になっていました。 4その幻の中で、北の方から、燃える火のような
巨大な雲を前面に押し出しながら、激しい嵐が私を目がけて突進して来るではありません
か! 雲に包まれた火は絶えず閃光を発し、火の中には、みがき上げた真鍮のように輝く
ものがありました。
5すると、その雲の真ん中から、人間のように見える奇妙な姿をした四つのものが現われ
ました。 6その四つのものは、それぞれ四つの顔と二対の翼をもっているのです。 7
足は人間の足のようですが、先が子牛のひづめのように分かれていて、みがいた真鍮のよ
うに輝いているのです。 8また、それぞれ翼の下から人間の手が出ているのが見えまし
た。
9この四つの生きものは翼を連ねて、曲がらずにまっすぐ飛んで来ました。 10それぞ
れ正面は人の顔、右側はライオンの顔、左側は牛の顔、背面はわしの顔をしていました。
11二対の翼は背中の中央から広げられ、一対は両側の生きものの翼に連なり、他の一対
は体をおおっていました。 12そして、彼らの霊が行く所はどこへでも、曲がることな
く、まっすぐに進んで行きました。
13これらの生きものの間を、赤く燃える炭火のように、明るいたいまつのように輝く別
の生きものが行きつ戻りつしていました。 それらの生きものから、いなずまが出ていま
した。 14生きものは、いなずまのひらめきのように速く、あちこちへと突き進んでい
ました。
15私がこの光景に見入っていると、四つの生きものの下に、地上でそれらを支えるよう
に、四つの輪があるのが見えました。 それぞれの生きものに一つの輪がついているので
す。 16輪はまるで、みがき上げた琥珀でできているように見え、輪の中にもう一つの
輪が交叉するようにはめ込まれていました。 17これらの輪は、向きを変えずに四方八
方、どこへでも向かうことができました。 18四つの輪には縁と輻があり、縁の回りに
は目がいっぱいついていました。
19‐21四つの生きものが前方に飛ぶ時は輪も前方に動き、上に飛ぶと輪も上に動きま
した。 そして、生きものが止まると輪も止まりました。 生きものの霊が輪の中にあっ
たからです。 それで、霊が行く所はどこへでも、輪と生きものも行きました。
22生きものの上に広がった大空は、まるで水晶のように輝き、その美しさは、とても筆
舌に尽くせないほどでした。
23それぞれの生きものの翼は、互いにまっすぐに伸びて触れ合い、もう一対の翼が体を
おおっていました。 24生きものが飛ぶと、翼は岸を打つ波か神様の声、あるいは、大
軍勢のときの声のような響きを立てました。 止まると、翼を下に垂れました。 25生
きものが止まるたびに、頭上の水晶のような大空から声が聞こえました。
26空高く、壮麗な青いサファイヤで作った王座のようなものがあり、人間の姿に似た方
が座っていたのです。
2728腰から上は、火のように照り輝く、燃える青銅のように見えました。 腰から下
は炎に包まれ、その方の回りには虹のような輝きがありました。 このように、神様の栄
光が示されたのです。 これを見て、私は地にひれ伏しました。 そして、私に語りかけ
る方の声を聞いたのです。
1その方は私に、「ちりの子〔「死んでちりに帰る人間」の意。 この書に特有の表現〕よ、
立て。 わたしはおまえに語ろう」と言いました。
2その方が語ると、御霊が私の中に入り、私を立たせました。
3「ちりの子よ、おまえをイスラエルの国、すなわち、わたしに反逆している国に遣わす。
彼らも、彼らの先祖も、この時まで、わたしに罪を犯し続けてきた。 4彼らは恐ろしく
強情で頑固者だ。 それでも、わたしは、神であるわたしのことばを伝えるために、あな
たを遣わす。 5だが忘れるな。 彼らは反逆者なのだ。 しかし彼らが聞こうが、聞く
まいが、少なくとも、彼らの間に預言者がいたことだけは知るだろう。
6ちりの子よ、彼らを恐れるな。 どんなに彼らの脅しがきいて、とげとげしく、さそり
のように突き刺しても、びくともするな。 険悪な顔つきをされても、たじろぐな。 彼
らは反逆者なのだ。 7彼らが聞こうが、聞くまいが、おまえはわたしの言うことを語れ。
もっとも彼らは骨の髄まで反逆者だから、聞きはしまいが……。 8ちりの子よ、わたし
が語ることを聞け。 おまえが反逆者になってはいかん! 口を大きく開けて、わたしが
与えるものを食べるがいい。」
910そこで私が見ていると、両面に字が書いてある巻物を持つ手が、目の前に差し出さ
れたのです。 その方は巻物を広げましたが、そこには警告や、悲嘆や、審判の宣告など
が、びっしり書き込んでありました。
1その方は命じました。 「ちりの子よ、わたしが与えるものを食べよ。 さあ、この巻
物を食べるのだ! それから出て行き、そのことばをイスラエル国民に告げよ。」
2私は巻物を手に取りました。
3「それを残らず食べよ」と、その方は言います。 食べてみると、なんと蜜のように甘
い味がするではありませんか。
4命令はさらに続きます。 「ちりの子よ。 おまえをイスラエルの人々に遣わす。 わ
たしのことばを携えて行け。 5ことばが通じない遠い外国へ遣わすのではない。 6と
にかく、難しい外国語を話す部族に遣わすのではない。 だが、もしそうしたなら、彼ら
は耳を傾けるだろう! 7わたしが遣わすのは、イスラエル人のところだ。彼らはわたし
の言うことを聞こうとしないのだから、あなたの言うことも聞こうとはしない! 彼らの
面の皮は厚く、ずうずうしく、頑固なのだ。 8ところで、わたしもまた、おまえを、ま
るで彼らと同じように、面の皮の厚い頑固者にした。 9おまえの額を岩よりも堅くした。
だから、彼らがどんなにしぶとい反逆者でも、恐れるな。 どんなにいやな顔、おこった
顔をされても、たじろぐな。」
10その方は続けて言いました。 「ちりの子よ、まず、わたしのことばを余すところな
く心の奥底に収め、注意深くそれに聞き従いなさい。 11それから、捕囚とされた同胞
のところへ行き、彼らが聞こうが、聞くまいが、『神様はこう言う』と告げるがいい。」
12すると、御霊が私を持ち上げました。 大きな地震の響きを伴って、神様の栄光が移
り始めました。 13その響きは、生きものたちの翼が互いに触れ合う音であり、輪がき
しむ音でした。
1415御霊は私を持ち上げると、ケバル川のほとりにある、別のユダヤ人居留地テル・
アビブに連れて行きました。 私は憤り、苦々しい思いで行きましたが、神様の御手が強
く私の上に置かれていました。 七日間というもの、私はただ呆然と、彼らの中に座って
いました。
16七日目の終わりに、神様はこうお語りになりました。
17「ちりの子よ。 わたしはおまえをイスラエルの見張り役とした。 わたしの国民に
与える警告を、直ちに伝えよ。 18わたしが悪者に、『おまえたちは死刑に相当する。 だ
から、悔い改めて、自分のいのちを救え』と伝えてほしい時、そのように警告しないなら、
彼らは自分の罪のために死ぬが、わたしはおまえを罰する。 彼らの血の責任をおまえに
問う。 19だが、おまえがいくら警告しても、彼らが罪を犯し続け、いっこうに悔い改
めないなら、彼らは自分の罪のために死ぬ。 しかも、おまえには責任がない。 おまえ
はできるだけのことをしたのだから。 20もし善良な人が悪を行なっているのに、おま
えが警告しないなら、わたしは彼を滅ぼす。 以前の善行は何の助けにもならない。 彼
は自分の罪のために死ぬ。 だが、わたしは彼の死の責任をおまえに問い、おまえを罰す
る。 21もしおまえが警告し、彼が悔い改めるなら、二人とも自分のいのちを救うこと
になる。」
22私はどうすることもできない状態のまま、神様の御手の中にありました。 神様が「谷
間に出て行け。 そこでおまえと語ろう」と命じた時、 23私はすぐに立って、谷間へ
出て行きました。 すると、ケバル川のほとりで最初に見たのと同じ神様の栄光を、そこ
でも見たのです。 私は思わず地面にひれ伏しました。
24すると、御霊が私の中に入り、私を立たせました。 神様は私にこう命じました。 「行
って、家に閉じこもれ。 25わたしはおまえが家から出られないように、おまえの体を
麻痺させる。 26また、舌を上あごにつかせるので、おまえは彼らを責めることができ
なくなる。 彼らは反逆者だからだ。 27だが、わたしがおまえに語る時は、おまえの
舌を自由にし、話せるようにしてやる。 彼らに『神様はこう言う』と言え。 聞きたい
者には聞かせ、聞きたくない者には聞かせるな。 まことに、彼らは反逆者だからだ。
1さて、ちりの子よ、大きなれんがを一枚、前に置き、その上にエルサレムの町の地図を
描け。 2この町を包囲し、攻撃するために築かれるとりで、その回りの敵軍の陣営、さ
らに城壁を取り囲む破城槌(城壁破壊用の武器)を描け。 3また、おまえと町との間に、
鉄の壁のように一枚の鉄板を立てよ。 こうして、敵軍がどのようにエルサレムを攻略す
るかを、実証して見せるのだ。
わたしが命じた一つ一つのことには、それぞれ特別の意味がある。 というのは、それは
イスラエルの民に対する警告だからだ。
45さあ、捕囚と破滅によって三百九十年間、イスラエルが罰せられることを示すために、
三百九十日間、左わきを下にして横になれ。その一日は、イスラエルにやがて訪れる一年
間の刑罰を表わしている。 6次に、向きを変え、ユダに対する刑罰の期間を示すために、
四十日間、右わきを下にして横になれ。 やはり一日が一年の勘定だ。
7とにかく、エルサレムの包囲の様子を実演して見せるのだ。〔その包囲と攻撃がどんなに
強烈なものかを教えるために〕、腕をまくって横になれ。 これはエルサレム滅亡の預言だ。
8わたしがおまえの体を麻痺させるので、包囲の全期間が終わるまで、寝返りもできない。
9初めの三百九十日間は、小麦、大麦、そら豆、レンズ豆、あわ、裸麦の粉をつぼに入れ
て混ぜ合わせ、その粉でパンを作って食べよ。 10一日に一食、一回二百三十グラムず
つに分けて食べよ。 11そして、水は一日に一リットルだけ飲め。 それ以上飲んでは
ならない。 12毎日、たるから粉を取り出し、大麦のパン菓子を作れ。 みんなの見て
いる前で、かわいた人糞の火の上で焼いて、それを食べよ。 13わたしの命令だ。 わ
たしが捕囚とする異国の地で、イスラエルは汚れたパンを食べるのだ!」
14「おお神様。 私は人糞で身を汚さなければならないのでしょうか。 今まで、一度
も身を汚したことがありません。 子供の時から今まで、病気で死んだり、傷ついたり、
死んで見つかったりした獣を食べたことはありません。 また、おきてが禁じている種類
の獣を食べたこともありません。」
15「そうか。 それなら、人糞の代わりに牛の糞でもよい。」
16こう答えると、神様はさらにことばを続けました。 「ちりの子よ。 エルサレムで
はパンの配給が乏しくなる。 注意深く量り、こわごわ食べることになろう。 水も少量
しか分け与えられず、人々は不安のうちにそれを飲むようになる。 17わたしが乏しく
させるのだ。 また、気違いじみた恐怖心をいだいて互いに見合うように、人々を刑罰の
もとにくたくたに疲れ果てさせる。
1ちりの子よ、鋭い刃の剣を取り、床屋のかみそりのようにそれを使って、頭とひげをそ
れ。 また、その毛をはかりにかけて、三等分せよ。 2その三分の一をエルサレムの地
図の真ん中に置き、包囲の期間が終わったら、そこで燃やせ。 次の三分の一を、地図に
描いた町の回りに広げ、ナイフでめった切りにせよ。 残りの三分の一は、風で吹き散ら
せ。 わたしは剣をもってわたしの国民を追いかけるからだ。 3その毛を少し取ってお
き、衣のすそで包め。 4そのうちから数本の毛を取り出し、火に投げ込め。 この残り
の毛から出る火が、全イスラエルを焼き滅ぼすのだ。」
5‐7神様は言います。 「これはエルサレムに起こることを例証している。 エルサレ
ムはわたしのおきてから離れ、周囲の国々よりも悪くなってしまったからだ。」 8そこで、
神様は言います。 「今、このわたしが、自らおまえを攻め、すべての国々が見守る中で
罰する。 9おまえが犯した恐ろしい罪のゆえに、今までにも下したことがなく、これか
らも下さないような重い刑罰を下す。 10父親はわが子を食べ、息子も実の父親を食べ
るようになる。 幸いにして生き残った者も、世界中に散らされる。
11おまえに約束する。 偶像や忌まわしいいけにえによってわたしの聖所を汚したから
には、おまえを惜しんだり、あわれんだりしない。 12おまえの三分の一はききんと伝
染病で倒れ、他の三分の一は敵に殺される。 残りの三分の一は風に散らされるが、その
あとから敵の剣が追いかける。 13こうして、わたしの怒りもようやくおさまる。 全
イスラエルは、わたしが警告どおりに実行することを悟るであろう。
14わたしは、周囲のすべての国々に、また、廃墟となったこの地を通り過ぎるすべての
旅人に、おまえを見せしめとする。 15おまえは全世界の笑い草となり、すべての人に
対する恐ろしい見せしめとなる。 すべての人が、神が一つの国を激しく譴責し、その国
全体に立ち向かう時、どのようなことが起こるかを見るからだ。 神であるわたしが、こ
れを語っている。
16わたしは恐ろしいききんの矢を雨と降らせて、おまえを滅ぼす。 ききんはますます
ひどくなり、一切れのパンも残らなくなる。 17ききんばかりでなく、野獣がおまえと
おまえの家族を襲って、かみ殺す。 伝染病と戦争が国中を闊歩し、敵の剣がおまえを虐
殺する。 神であるわたしが、これを語っている。」
1再び、神様からお告げが与えられました。
2「ちりの子よ、イスラエルの山々に預言せよ。 3ああ、イスラエルの山々よ、おまえ
たちに、また、川や谷に語られる神様のお告げを聞け。 わたしが、神であるこのわたし
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